イスラエル渡航者ログ:No.4 安藤香里さん

 

【安藤 香里  -Kaori Ando】

慶応義塾大学 文学部3年   ー大学生

 

ーProfile

東京生まれ

小平高校卒業

慶応大文学部 人文社会学科 民族考古学専攻

2010年、2011年の夏、発掘調査でイスラエルを計2回訪れる。

「イスラエルの人がおもしろい!」

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▶イスラエルのアルバム

小林:よろしくお願いします。イスラエルで発掘調査をされていたということで、イスラエル、そして発掘調査という両面で珍しい体験談がお聞きできると期待しています。

安藤:よろしくお願いします。確かに、珍しいですよね(笑)。今日は、目で見た方がイメージが浮かびやすいと思って、こんなものを持ってきたんですよ。イスラエルで撮った写真です。

>>>>>>>>>>>>>>自作のアルバムが登場!

小林:うわぁ、すごい!これ、ご自分で作られたんですか?

安藤:そうですね。やっぱり行ったり、写真を撮るだけではなくて、ちゃんと自分の中で整理したいと思って。結構役に立ってますよ。友達に見せたり。

小林:細かいところまでコメントがついてますね。すごい…。発掘調査だけでなく、色々な写真がありますね。これは…生足マシンガン…?

安藤:あ、これはエルサレムに行った時に見かけた、女性の兵士ですね。ほら、イスラエルって女性も兵役があるでしょ?キレイな生足の女性がマシンガンを持っていたので。そのコントラストがカッコ良かったから、ついつい撮っちゃった。

小林:そうか、女性も兵役があるんでしたね。18歳から2年間、でしたっけ。あ、この写真は何ですか?

安藤:あ、これはヘブライ語で書いてあって、本当は何だかよく分からないんだけど、描いてある絵的に、爆弾を見つけたらここの穴に投げ入れろ、ってことじゃないのかな?ってみんなでさわいで写真を撮ったんだけどね(笑)。クムラン遺跡国立公園に行ったときに見つけたんだよ。

小林:なるほど。確かに絵を見ると、そういうことかもしれませんね。何だかよく分からないですけど(笑)。あ、これは、警察…ですか?

安藤:そう。エルサレムの旧市街には、車も通れないような、細い道もあってね。そういう所は、こんな感じで、まだ馬に乗った警官がいるんだよ。旧市街は、本当に面白いよ。商品の押し売り?、というかアピールがすごく上手で、話を聞いているうちに楽しくなっちゃって、買っちゃう。みたいな(笑)。旧市街では、基本、提示額の1/3の値段から交渉スタートだよ。

小林:えっ?1/3ですか?! 1000円なら300円ってことですか?

安藤:そう。1/3。そうすると、結構いい感じの値段になるんだよね。じゃないと、ぼったくられるし。私は、基本、半額以下に抑えたよ(笑)。お店の人と話して、仲良くなるのも楽しいよ。

旧市街のようす

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▶始めからイスラエルに興味があった

小林:そもそも、なぜイスラエル、しかも発掘調査に行こうと思ったんですか?

安藤:実は、私はキリスト教系の幼稚園に通っていた影響もあってか、始めからイスラエルという国に偏見なく、むしろ行ってみたい、って思ってたんだよね。だから以前から興味はあったわけ。

小林:そうなんですか。僕も、自分自身がクリスチャンなので、違和感なくイスラエルに興味があったので分かります。始めから、大学で発掘調査のようなことをしたいと思っていたんですか?

安藤:いや、だから、というわけじゃなくて。たまたま、慶應の文学部に入って、最初は歴史にも興味があったから、史学系を専攻しようと思ってた。でも、歴史って紙に書いてあること中心で、それだと、ちょっと自分には物足りないかなって。それで、他のところも見てみたんだよね。

小林:そこで、今の専攻を選んだと?

安藤: そう。今の民族考古学のところでは、「私たちは発掘調査もします!」って宣伝していて。頭だけ使うんじゃなくて、体も動かす、みたいなところが私のタイプに合ってるかな、って思って。それで、今の専攻を選んだんだよね。ずっと憧れていた、イスラエルに行けるいうのも大きかったかな。ゼミに入って、実際に先生が発掘調査に行く人を募集していたときは、すぐに行きたいって言ったよ(笑)。

小林:すごいやる気ですね(笑)。それで、イスラエルに行くことになったわけですね。

安藤:そう。実際、イスラエルに行けて本当によかったと思ってる。考え方とか、すっごく変わったしね。

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▶とにかく暑い

小林:発掘調査は2回行かれたんですよね?

安藤:そう。2010年と2011年の夏の2回かな。両方1ヶ月くらいかな。発掘調査の時はね、キブツに滞在していたんだよ。エンゲブ(En Gev)っていうキブツなんだけど。観光とかも受け付けていて、意外と普通の町並みだったよ。建物はほとんど平屋なんだけど。

小林:へぇ。観光をやってるキブツなんてあるんですね。

安藤:キブツには、みんなで食べる食堂みたいのがあるんだけど、そこでの食事は、何て言うかな…「素材の味を活かす系」かな(笑)。まぁ正直にいうとあんまり…。みたいな(笑)。スパゲティーみたいのが出たと思ったら、次の日にその余り物で作ったデザート?みたいなものが出されたりとか(笑)。でもそれも面白かったよ。

小林:それは、一見ならぬ、一食の価値がありそうですね(笑)。ところで、発掘調査はどんな感じなんですか?

安藤:とにかく、暑い(笑)。暑くて死にそうだよ。暑すぎるから、発掘調査も実は朝と夕方しかできなくて。それでも結構キツいんだよね。使う道具も、スッコプとか手じゃ土が固すぎて掘れないから、つるはしとか使うんだけど、これがまた重くて。あまりのキツさに、予定を変更して帰っちゃった人達もいたくらい。

小林:アルバムに、キツかった仕事ランキング、ってありますが…(笑)。

安藤:これね(笑)。全部、暑い系のキツいなんですけど。初日にいきなり炎天下でやらされた草刈りが一番キツかったかなあ。あとは、普通はテントを張ってその下で作業するんだけど、たまに土の色を見る調査とかで、日陰じゃ色が分からないからそのテントを外して調査したり。それが、また死ぬ程暑くて。そのテントも、いちいち作業する度に組み替えるから、それも大変。

小林:やっぱり、暑いんですねぇ。イスラエル。

安藤:そう。でもキツいのは、暑いからだけじゃなくてね、発掘の時も、上から掘っていると、何が遺跡で何がただの土なのか全然分からなくて。間違って壁や土器を粉砕しちゃって、すごく怒られたりしたんだよね。これ、判別するのが意外にすごく難しくて、専門家の先生でも判断に困るくらい。一回、壁だと思っていたのが、実はただの土で、最終日に全部取り壊しになって、その時はさすがに、私、何やってたんだろうって思ったよ(笑)。

小林:そんなにキツい作業を、最後までやり遂げられたのはなぜですか?

安藤:やっぱり、大変だったけど、楽しかったからね。そこの現地の人達がすごくユーモアがあって、楽しませてくれたし、発掘自体にやりがいがあったから。ずーっと、掘っていて、何もなくて、そして何かが出てきた時の喜びが半端ないんだよね。土器とか、形があるものが出てきてくれた時には、本当最高だよ。

 


発掘調査のようす

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▶イスラエルの魅力は『人』!

小林:イスラエルの魅力を一言で言ったら何ですか?

安藤:『人』ですね。大変なはずの発掘調査も、彼らと一緒にやっていると、ほんとうに楽しくて。みんなユーモラスでおもしろいんですよね。おおらかというか、気さくというか。私も、彼らに影響されてどんどん、おおらかになっていくのが分かって(笑)。最初は虫がいただけで、うわっ、とか思ってたんですけど、だんだん、もうそんなのどうでもいいや、って(笑)。彼らと過ごす時間は本当に楽しいですよ。はじめ抱いていたイメージとは大分違いました。

小林:もう話しぶりから、いかに楽しかったかが伝わってきます(笑)。

安藤:発掘調査は、ユダヤ人だけではなくて、ドゥルーズっていうゴラン高原周辺に住んでるアラブ系民族の人達も一緒にやったんだけど、彼らもまたユダヤ人とは違うけど面白いんだよね。そこで初めて、ユダヤ人とアラブ人でも、うまく仲良くやっている人達もいるんだ、って知ったんだよね。

小林:アラブ系の人達も一緒に働いたんですか。驚きです。

安藤:そう、はじめはびっくりしたよねやっぱり。でも、だんだん彼らと関わっていく中で、どんどん仲良くなって彼らのことを知っていったというか。やっぱり、実際に行って、現地の人達と関わって、初めて本当のことが分かるんだ、って実感しました。

発掘調査のメンバー

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▶イスラエルに行って変わった。

小林:今、安藤さんは就職活動をされているということですが、どんなお仕事を志望されているんですか?

安藤:そうですね。色々なんですが、今は外国の人達と関われるような仕事を希望しています。実は、イスラエルに行ったことがきっかけで、就職活動をしようと思ったんですよ(笑)。

小林:ええっ?本当ですか?詳しく聞きたいです。

安藤:イスラエルに行く前は、大学院に行って、もっと自分の研究を深めようと考えていました。でもイスラエルに行って考え、というか自分自身が変わったんです。さっきも言ったみたいに、イスラエルって本当、そこに住んでいる人が魅力的なんです。彼らと関わっていく中で、どんどん変わっていく自分を見ていて、ああ、もっと彼らみたいな人達と関わる仕事がしたいなぁ、って思ったのが、就職活動を始めたきっかけなんです。

小林:イスラエルに行ったことが、本当に人生を変えているんですね。それを聞いただけで、すごく行きたくなりました。

安藤:もちろん、いいことばかりじゃないよ。空港とかで足止めをくらって、すごく待たされたときは、泣きそうになったり、不条理なこともある。でも、それ以上に充実していることばかりだよ。本当に魅力的な国。少しでも興味がある人には、是非行ってほしい。興味がない人には、まず興味を持って欲しいな。

小林:安藤さんも、またイスラエルに行きたいですか?

安藤:行きたい!というか今年も多分行きます(笑)。仕事としてもイスラエルと関わっていきたいと思ってます。

小林:イスラエルの魅力が、もっと日本人にも伝わるといいですね。今日はありがとうございました!

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