イスラエルの農業技術 – 点滴灌漑 –

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Collards via msjacoby

イスラエルと聞くと中東、中東と聞くと砂漠、砂漠と聞くと水がない、ゆえにイスラエルは水がない。

水が無いので食物も育たない、だからイスラエルで農業は盛んではない。

そのようにイメージする人も多いかと思います。

確かにイスラエルは水資源が豊富とは到底言えず、唯一の水瓶であるガリラヤ湖の水位は国民の大きな関心ごとの一つです。

しかしそのようなイメージとは裏腹に、イスラエルの食料自給率はなんと93%にもなります!

単純に比較はできませんが、年中通して降雨に恵まれている日本の食料自給率が39%(カロリーベース)であることを考えると、にわかには信じがたい事実です。

「食糧自給率」より「稼ぐ農業」!イスラエル、オランダ型農業で日本農業を再生せよ

砂漠の農業立国イスラエル。中東に位置し、国土の60%が乾燥地に覆われている。雨季は11月から4月までの間しかない。その降雨量は北部で平均700ミリ、南部では50ミリ以下である。ちなみに、農業県の新潟、高知、鹿児島の降雨量は1800ミリから2500ミリである。

この過酷な条件にもかかわらず食料自給率は93%以上を維持している。イスラエルの農業人口は8万人。一方日本の農業人口は400万人。現在の農業輸出高は21億ドルでほぼ同じだ。イスラエルは日本の50倍の生産性を持っていると言える。

このような高い生産性、またそれによる高い食料自給率を実現しているのが「点滴灌漑」と呼ばれる節水技術です。

灌漑というと、通常はスプリンクラーのようなもので水を広範囲に散布する姿が思い浮かびます。しかしそのような方法だと、植物に吸収されずに空気中に蒸発して失われてしまう割合が大きいという欠点があります。

一方、点滴灌漑では植物の株一つ一つに直接水を供給するため、そのようなロスが少ないという利点があります。もちろんその分コストはかかるものの、高付加価値の作物の育成に用いることでそのコストを回収することが可能です。(余談ですが、先日イスラエルが「黒いトマト」の開発に成功したとのニュースを目にしました。抗酸化成分が豊富とのこと)

この分野でのトップ企業はイスラエルのNetafim社ですが、広島県のカゴメ世羅菜園をはじめとして日本にも導入されている(PDF)とのこと。

農業従事者の高齢化や、海外産品との競争など数多くの課題を抱える日本の農業。冒頭の記事で田村耕太郎氏も指摘しているように、イスラエルの高い農業生産性に学ぶべき点が多いのかもしれません。

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