イスラエルの成功例から日本が学べること
~日本がより発展するためには~
↑2006年にエルサレムを訪問した小泉元首相と嘆きの壁。
2012年1月3日にジャパンタイムズに掲載されていた記事からの要約です。記事にはイスラエルと日本の文化や企業風土の違いに始まり、今では経済の黄金時代と呼ばれる経済成長を成し遂げているイスラエルから停滞気味の日本が学べることは何かということについて書いてあります。
ソースは英語で書かれているので、簡単に日本語に要約してまとめたのが以下の文です。 おおざっぱにまとめてありますので、正確な情報が知りたい方は元の記事へどうぞ。 http://www.japantimes.co.jp/text/fl20120103zg.html
日本は、将来の確固としたビジョンや手本を見つけるのに苦慮している。日本は小さくとも経済的に成功しているフィンランドのようになるべきなのか。あるいは世界との積極的な関わりをやめ、自国の文化に閉じこもるような、新孤立主義あるいは新鎖国政策をとるべきなのだろうか。
記事を書いたのはGlenn Newmanという弁護士で日本に長期の在住経験がある人です。それでも、日本人でない人にここまで厳しい意見を言われると個人的にちょっとへこみます。
Glenn氏は自らのイスラエル人と働いた経験から以下のような両国の文化の違いと共通点について述べています。簡単にまとめると、
違い: 日本 イスラエル
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争いを嫌い、調和を保とうと努める いつでも議論を楽しむ
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建前 本音
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秩序 カオス
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事細かに予定を立てる。 臨機応変や即興を好む
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形式的で控えめ くだけていて気楽な
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年功序列 年功序列なし
共通点: 天然資源がないが、人的資源は豊富。 Glenn氏は、2国家はこの人的資源を使って繁栄してきたが、日本が経済成長した繁栄期はすでに20年前に終わっているが、イスラエルは経済の黄金期真っただ中だと述べています。
さて日本がイスラエルから学べることは何なのか。起業家、トップダウンによらない意思決定、グローバルな考え方、移民の4つのテーマで彼は述べていますが、本文を読んで移民の部分はあまり現実的でないと個人的に感じたので割愛しています。
<起業家>
イスラエルは、通信やソフトウェア、半導体、医療機器分野においてハイテクのスタートアップが盛んでしかもこれは1990年代から始まったここ最近のこと。
注:ハイファというイスラエルで3番目に大きい都市にはイスラエルのシリコンバレーと呼ばれる場所があり、グーグルやインテルといった名だたる企業が集まっています。
それではなぜイスラエルでこのようなベンチャーが盛んなのでしょうか。その秘密は以下の2つにまとめられます。
1:新しいビジネスを促進する政府の政策 法人税を下げたり、煩雑な規制を取り払ったり、ベンチャーキャピタルを有望な スタートアップつなげる革新的な公私プログラム作りを政府が積極的に行っている。
2:失敗を恐れず、リスクを好む気質 同僚が新しいベンチャーで成功するのを見ると、それに続いて他の同僚もその分野 に参入する。こうしてより大きく持続的なベンチャー分野の良いサイクルができる。
一方の日本では本田宗一郎や今日のアップルを作ったともいわれるソニーを立ち上げた盛田昭夫といった世界的に有名な起業家達がいる。また今日の日本においては楽天の三木谷浩氏やグリーの田中良和氏がシリコンバレーに匹敵するような起業家だ。こうした成功は大胆さと失敗を受け入れやりぬく姿勢が根底にはある。
しかしこうした成功例はあるものの未だ日本には何千という優れた起業家精神を持つ人々が、大企業のR&D、マーケティングその他の部門に閉じ込められている。さらに今の大学生たちは、大企業の不安定な雇用制度にさらされるぐらいなら、自らビジネスを立ち上げた方が良いと考えているかもしれない。
<トップダウンにとらわれない意思決定>
イスラエルの組織はかなりフラットであり、上下関係は年齢や役職によって決まることはなくそれが革新や常識にとらわれない発想を可能にしている。
有名なことだが、日本は合意社会だ。肩書きや役職が重視され、重役の決定がないと意思決定はされない。日本の企業にかけているのは、中クラス以上の役員たちが、企業戦略に異議を唱えたり、会社を従来にはない方向性に持っていくという意識だ。オリンパスや大王製紙の一連の事件はこの意識が欠けているという一例だ。しかし、例外もある。トヨタのプリウスやソニーのプレーステーションは、社内の大反対に合いながらもできた製品だ。
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