【菊川貴俊 -Takatoshi Kikugawa】
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【菊川貴俊 -Takatoshi Kikukawa】
1984年生 27歳
ーウェディングフォトグラファー
Profile:
明治学院大学心理学部卒業
2008年、世界一周に出発
世界一周の過程でイスラエルを訪れる
現在はブライダルカメラマンの仕事をしている
「近い将来、イスラエルに住みたい」
菊川さんの世界一周ブログ↓
『地球一周 若輩旅行記 =さむらいロード、さすらいどーよ?=』
▶イスラエルになんか行こうと思わなかった。
小林:菊川さん、よろしくお願いします。イスラエルだけでなく、世界一周されていたと聞いて、ぜひその話もお聞きしたいです。まず、どうして世界一周の中でイスラエルに行こうと思ったのか教えてください。
菊川:そもそもイスラエルに行く気はなかったんですよね(笑)。ネガティブなイメージしか持っていなくて。戦争で危なくて、がれきの家があって、その家の前自衛隊がたたずんでいて、反対側にはターバンを巻いた人達がいる。そんなイメージ(笑)。とにかく、イスラエルには世界一周の計画を立てた時点では全く行くつもりはありませんでした。
小林:めちゃくちゃ具体的なイメージですね(笑)。どうしてそこまでいいイメージがなかったのにイスラエルに行ったんですか?
菊川:それがとても不思議な出会いがあって。ベトナムでカフェにいた時に、とあるイスラエル人がいたんですよね。その時は、外国人がいるな、としか思わなかったんだけど、ラオスのカフェにふと立ち寄った時に、またその人に出会って。彼は、アジアを旅行していたみたいで、僕が世界一周していて、エジプトやヨルダンにも行くつもりだと言ったら、じゃあイスラエルにも来いよ、案内してやるから、と。
小林:ベトナムとラオスで同じ人に会うなんてあるんですね、しかも偶然!
菊川:そう。びっくり。それで、もうイスラエルに行くしかないなーって、ルートを変更して12月24日のイブにドバイを出発してイスラエルに向いました。もともと キリスト教系列の高校と大学に通っていたし、宗教に関しては偏見もなくて、むしろ聖地に対しては人一倍興味はあったね。あ、彼はテルアビブに住んでいるん だけど、色々案内してもらいました。
▶クリスマスにイスラエル入国
小林:クリスマスイブにイスラエルに行かれたんですね。
菊川:そうだね。クリスマスはイスラエルで過ごしたくて。イブにドバイを出発して、ヨルダンのアンマン空港ってとこに着いて、そこからタクシーやバスを乗り継いで国境を越えた感じ。入国審査の時は結構待たされたかな。そこから友人のいるテルアビブに行こうとしたんだけど、普通は国境からテルアビブまでのバスが出ているんだけど、クリスマスだったからバスがなかったから、さてどうしよって困りました(笑)。
小林:イスラエルもクリスマスは流石にそうですよね(笑)。どうしたんですか?
菊川:そこで、ヨルダンからのバスで知り合った、めちゃくちゃ優しいおばちゃんに助けられたんですよね。直行便がないなら、エルサレムまで行って、そこから行けば 安くすむよって、教えてくれて。バス停まで案内までしてもらったんですよ。しかも、別れを告げたあと、そのおばちゃんの旦那さんと思われる男の人が走って きて、「寒いだろ?これ着なよ」って言ってセーターをくれたんだ。その時僕は薄着で、上着はバッグの中にあったんだけど、彼らのあたたかさが心にしみたね。
小林:いやぁ、本当に素敵な出会いばかりですね。それが旅の醍醐味なんでしょうけど。イスラエルに入国して、それまでのイメージとは変わりましたか?
菊川:イメージとは完全に違いましたね。テルアビブは普通に東京みたいに都会だし、高速道路も広くてすっごく整備されてて、信号がないまっすぐな道路がずーっとあって、すごく車で移動しやすかった。自然もすごく豊かで、ハイファの海もドバイと比較しても劣らない程キレイだったよ。
小林:僕も話しか聞いたことないんですけど、イメージと違ってイスラエルってホント先進国だなぁという印象です。イスラエルの人はどんな印象ですか?
菊川:とにかく美男美女が多い。これ冗談じゃなくてね。民族的に混血だからかな、ヨーロッパとアラブの血が混ざっているというか。これもイスラエルの魅力のひとつだと思います(笑)。イスラエル人は何カ国語も喋れる人が多くて、 ヘブライ語だけじゃなくて、 英語を中心にドイツ語、スペイン語なんかも聞こえてくる。確かにイスラエルは先進国。でも、キブツっていう、通貨を使わない、つまりお金を使わずに持ち物 をシェアし合って共同生活している場所もある。本当に興味深いところがたくさんあるよ。文化も宗教一辺倒というわけではなくて、テルアビブなんかは、世界 中のゲイに選ばれたゲイが暮らしやすい町世界ナンバー1って最近の航空会社の記事で知りました(笑)。
小林:そうなんですか!めちゃくちゃ意外です(笑)。
菊川:とにかくイスラエルはすごく魅力的な国ですよ。僕は世界一周旅行中に、半年で18カ国をまわったんだけど、イスラエルには2週間くらいいたかな。ガザの戦争がなければもっと滞在したかったんだけど、滞在中に丁度戦争が始まって、テレビで関係ない人が何百人って死んでゆく報道を見て、行く予定だったエジプトも諦めて次の国へ行きました。
▶イスラエルに住みたい
菊川:僕、実はイスラエルに住もうと思ってるんですよ。最低でも3年間くらい。30歳になるまでには行きたいなと。一昨年仕事を始めた頃から考えていたんですけど。
小林:そうなんですか?!30歳までってことは…
菊川:つまりあと2、3年。計画立てているから、そろそろ準備段階から実行段階に移し始めている所ですけどね(笑)。
小林:どうして、18カ国も回って、その中からイスラエルに住もうと思ったんですか?
菊川:イスラエルって日本と対極にある国なんじゃないかと思うんですよ。僕は常々、日本の歴史観に疑問を持っていて。ただ新しいものばかりを追い求めて、それまでの歴史を見ていないというか。歴史を嘘、偽りで塗固めているように感じるんですね。でもイスラエルは違って。日本と違って長く、複雑で深い歴史があるし。 もちろん今でも領土問題や戦争はしているけど、その事実を否定することなく、なかったことにもしないでただ真実を受け入れているというか。当然ながら政府 と国民の温度差は両国ともに一緒だけど、それぞれ捉え方や生活が全く違う。遺跡もそうですけど、ただ保存するだけじゃなくて、その中に住んでいたり、歴史 といつも隣り合わせの国だと思うんです、イスラエルって。ああ、こんな人たちがいるんだって、23年間生きていてその時初めて知ったんですよね。その新しいものを、もっと自分のものにして、そして日本に持ち帰りたいなと思って。
小林:確かに、日本は歴史をうやむやにしている面がありますね。イスラエルでは、歴史を教訓に人々は生きているということですか。そのあたりも留学中に感じてきたいなと思いました。ところで、僕は学生としてイスラエルに留学するわけですが、菊川さんは向こうにいる間は何をやろうと思っているんですか?
菊川:いや、何にも考えてないです(笑)。むこうには意外におすし屋さんが多いんですよ。そこに「本当の寿司教えますよ」って働くのもアリかな、とか(笑)。
小林:確かに、お寿司屋さんが人気って聞いたことあります。絶対売れますよ(笑)。
▶無宗教はハズカシイことじゃない
菊川:イスラエルで出会った友達に言われた、すごく印象的な言葉があるんですよね。
小林:どんなことですか?
菊川:イスラエルに行く前は、僕は自分が無宗教ってことが、ハズカシイことだと思ってたんですよ。イスラエルって、宗教が当たり前の国じゃないですか。誰もが何か信仰するものがあって、何かに頼っていて。それに比べて日本人はほとんど神なんて信じないし、僕もそうだった。だから、何て言うかな、ちょっと後ろめたい気持ちがあったんだよね。
小林:それ分かります。信仰が当たり前の場所に、自分は何も信じていないというのは勇気がいりますね。
菊川:そう。でも、その話をイスラエル人の友達に話した時、そうじゃないんだ、と言われたんだよね。彼は、むしろ日本人は、神に頼らなくても自分の心や家族を頼り に、そして自分に対して自信を持ってやっていてすごいと言っていた。神頼みじゃなくって自分で決断しているというか、そういう所をすごいって言ってもらえ て、なんだかほっとしましたね。助けられたというか。
小林:そうなんですか。宗教心熱いイスラエル人と、無宗教の日本人は理解し合えないかと思いがちですが、そうじゃない、理解し合えるんだ、ということですね。お互いを尊重し合える関係になれたらいいですね。
▶南極を全力疾走したい
小林:世界一周されて、その後、これをやりたい!っていうことはありますか?
菊川:やりたいことが2つあるんですよ。一つ目は「全力疾走シリーズ」。
小林:え?
菊川:世界一周の中でも、モンゴルの草原で全力疾走したいなと。ただそれだけでモンゴルに行ったんですよね。 イスラエルとは直接関係ないんですけど(笑)。
小林:やったんですか?
菊川:やりましたね(笑)。ゆくゆくはそれを南極に行ってやりたいんですよね。南極の氷の上で全力疾走(笑)。アルゼンチンから10万円あれば行けるんですけど、アルゼンチンに行ったときは1万円も持ってなくて。いずれはやりたいんです。で、二つ目が「暇を持て余した神々シリーズ」(笑)。これ南極であの格好してやったら最高に面白いと思うんですよね(笑)。
小林:南極で、あの格好ですかぁ(笑)。いいですねぇ。僕も是非行きたいです(笑)。
菊川:ぜひぜひ(笑)。
小林:他に、何か世界一周でよかったところはありますか?
菊川:イスラエルじゃないんですけど、ヨルダンにペトラ遺跡っていうのがあって、これは本当におすすめです。イスラエルからヨルダンには結構簡単に行けて、出る時は本当一瞬。3000円くらい出る時にお金とられるけど、それでも行く価値があるよ。 山を切り開いた所に遺跡がある感じなんですけど、 日本みたいにやわらかい山じゃなくて、岩肌の山だから、本当にに遺跡が背切り立ってる感じ。アンコールワットとかタージマハル行くくらいなら絶対こっちの方がいい。本当に全身で感動しました。
小林:そうなんですか。イスラエルに行くからには、そこにも行ってみたいです。
↑ペトラ遺跡
▶ここがイスラエルの魅力だ!
小林:最後に、ここがイスラエルの魅力だ!っていうところを簡単に紹介してください。
菊川:イスラエルは、同じ季節でも北に行けばスキーもできるし、南に行けばスキューバーができる。死海もあって健康管理もできる(笑)。こんなに歴史が長くて深くて複雑な国はないし、その歴史をちゃんと認めて前に進んで行こうとしている国。アメリカ、ヨーロッパやアジアの国のものってたくさん日本にあるけど、イスラエルのものってなかなかないよね。でもイスラエルにはいいものがたくさんある。日本人はもっとイスラエルを知るべきだと思う。自分の肌で感じたことを、良いものに昇華させられるきっかけが、イスラエルにはあるんじゃないかな。
小林:イスラエルは日本ではあまり良いイメージがないですけど、行ってみると、本当に魅力的な国なんですね!
菊川:ホントそう。イスラエルに限ったことじゃないけど、その場所や人って、自分で行って自分の目で見ないと本当のものは分からない。偏見があるし。ひとごとじゃなくて、世界を身近な存在として感じてほしかったから、世界一周のブログも始めたんだよね。あ、一番の目的は生存確認用のブログだったけどね(笑)
小林:そうですね。世界を実際に感じてきた菊川さんの言葉だからこそ、説得力があります。僕もはやくイスラエルに行きたくなりました!今日は本当にありがとうございました!
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