蘆花『馬上三日の記 エルサレムよりナザレへ』

徳冨蘆花(本名:徳富健次郎)という人物をご存じでしょうか。

彼は明治から昭和にかけて活躍した日本文学の小説家ですが、オスマン帝国治下のエルサレムにニ度巡礼したことでも知られています。ちなみに、かの有名な思想家・徳富蘇峰の実弟でもあります。

 

以前、臼杵陽氏の『世界化するパレスチナ/イスラエル紛争』(岩波書店,2004)を読んでいた時、冒頭部分で蘆花が取り上げられてたのがきっかけで彼に興味を持ちました。

 

最初は、その帰路にロシアの文豪トルストイを訪問するために、そしてニ度目は妻との世界旅行途中に、それぞれエルサレム巡礼を行なったとされています。

 

彼がトルストイを訪問した際の旅記録『順礼紀行』は特に有名で、貴重な記録になっています。この書籍はAmazonなどでも簡単に手に入りますし、興味があるので一度読んでみたいと思っています。

 

蘆花の記した『馬上三日の記 エルサレムよりナザレへ』は、「日本の名随筆 別巻21」の巡礼をテーマにしている部分に記載されています。当時の様子が日記風に書かれているため非常に読みやすいですし、想像力が膨らむのでおすすめです。

 

「六月四日、エルサレムを立ち、サマリヤを経てガリラヤに赴かんとす。十字架よりナザレの大工場へ、即ち四福音を逆に読むなり。…」といった具合で、旧字新仮名なので慣れないと読みづらいかもしれません。

http://toshokan.in/book46610.html ネット上でも読めるのでよかったらどうぞ!

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